『まほらば 〜Heartful days』「#22話 大事…」

 強力なぬくぬく、まったり感がくせになり、ついつい毎週見てしまうのですが、沙夜子と朝美の出生の秘密が明かされる前回、今回は泣かされちゃいました。朝美はまんま健気な泣かせキャラなのですが、無表情な沙夜子やまひるによる微妙な感情表現が、さらに感動を盛り上げてくれました。これでもかとたたみ掛けるようなシナリオと声優の演技が、凄まじいくらい。特にクライマックスで、朝美が部屋に飛び込み、「お、おお、おかっ、おかさっ、私は、お母さんが、好きー!」と詰まり詰まりしながら叫ぶシーン、ここで泣かないでいられる人はそうはいないんじゃないでしょうか。
 実は『まほらば』はまったりギャグが中心の普段の回でも、背景やキャラの表情など演出が随所で光っています。今まで見たことのない方には、是非一見をお勧めします。

 ところで、沙夜子の父が沙夜子に見合いを勧め、「もう死んだ男に執着するのは止せ。それをあいつもあの世で願っているはずだ」と諭した時の、次の沙夜子の台詞にはおののきました。

「もし私が先に死んで、あの人が私のことを忘れたらそんなの私、絶
対に嫌だわ。私が死んだあとでもあの人には私のことをずっと好きで
いてほしい。私が死んだからといって、あの人がほかのだれかを好き
になったりしたら、恨むわ、呪うわ。
私が好きな人は生涯一人だけ、あの人だけなの。それは今でもこれか
ら先もずっと変わらない。私にとっての好きは、そういう好きなのよ。
そんなの間違っているってみんなは言うかもしれないけど、私にはそ
ういう考え方しかできないの。だから私、再婚はしないわ」

この人の真剣っていつも一本ずれているけれど(一本どころでないが)、上の台詞、感情的にはまったく正しい、感情に対して真っ直ぐだなあと思います。現実には真っ直ぐな想いを持ち続けることはありえない、もしくは想いに執着し過ぎると、幸せになれなさそうなのですが、「そんなことはないよ。たとえ世間並みには不幸せに見えても、実は幸福なんだ」っていうのが、まほらば的幸福論なのでしょうね。
こういう直ぐさ、純粋さは、『ハチミツとクローバー』にも感じているものです。

(沙夜子って、容姿とか性格とか、生活力なさげなところとか、Kanonの舞だよなあ)←これが一番言いたかった。