『シムーン』

http://www.simoun.tv/
エヴァンゲリオン放映10周年だからか、今年はTVアニメでジュブナイル物の良作がかかる気がします。その双璧が『シムーン』と『ゼーガペイン』だと思います。

 殊に『シムーン』は独特の世界観を構築していて謎解き的な楽しみがあります。神の乗機・シムーンの二つのアンモナイトをつなげたような造形、空にさまざまな光の軌跡を描いて多数の敵を攻撃するリ・マージョンという攻撃法。そしてシムーンの乗り手には、性が未分化な巫女・シヴュラが二人ペアとならなくてはならないなどかなりユニークです。
 シムーン部隊の中でも最高といわれるコール・テンペスト(正確にはコールは兵隊ではない)を襲う過酷な運命。運命に翻弄されながら、必死に自分の未来を探り、また残酷なまでに互いに愛憎を交す主人公たち、と物語はタカラヅカのごときハイテンションで進行していきます。
 私はいじられキャラがかなり好きなタチですが、この作品にはいじられキャラが多すぎます。つまり生真面目で自分に対する何らかのコンプレックスを持っている、そんな子たちがぞろぞろいます。だからこそ主人公アーエルの突き抜けた行動力、単純といっても過言でないほどのまっすぐさがさわやかな風となります。
 私達は何ゆえ青春で苦悩するのか? またいかにして青春は行動を生み出すのか? そんなことを確認する作品となりそうです。