能登麻美子さんのこと

 『トリニティ・ブラッド』のシスター・エステルの声を聞いて、これって『MONSTER』のニナの声だよなあと思い当たりました。どちらも自分の運命と向き合い戦う、ちょっと憂いを帯びたキャラなのですが、鈴の鳴るような、という修辞がぴったりの声、と言いましょうか、清涼感のある、ささやくような声が実にはまっています。か弱い女性のようでいて、媚のない、世情に流されない確かな個性を持った女性、そんなイメージの声です。ぼくは『忘却の旋律』で「かつて人とモンスターとの長い戦争がありました…」とナレーションを語る少女(=忘却の旋律)役として、初めてこの人の声の印象に惹かれたように思います。
 ぼくはあまり声優に興味を持たないほうなのですが、調べてみたらこれらのCVは能登麻美子さんという方でした。今クールでは『魔法先生ネギま!』の宮崎のどか、『LOVELESS』の瞳先生、『いちご100%』の東城綾などの役をなさっているようです。どちらかというと引っ込み思案な優等生キャラが当てられているみたいですね。
 しかしぼくは、単に弱いだけのキャラではない、エステルやニナのほうが、本当に彼女のはまり役なんだと思います。