『トリニティ・ブラッド』

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「閣下…いいですよ。吸ってもいいですよ。だからもう、泣かないで。
あなたは悪くない。あなたのせいじゃないんですもの。」

「帝国篇」は、エステル@能登麻美子ファンとしては、至福の回でした。帝国貴族の美少年・イオンと彼を護衛するエステルとの間に紡がれる初々しい交感。イオンは人間を蔑むヴァンパイアのメトセラ(長生種)であり、エステルはその人間、しかも彼女はメトセラに対して、かつて家族を殺された恨みさえ抱いていました。しかし、度重なる危難を共に乗り越えるなか、二人は互いに好意を抱いていきます。
 今回はその帝国篇のクライマックスでした。皇帝暗殺の陰謀に巻き込まれた二人は牢に閉じ込められ、イオンは傷つけられます。大量の失血のため、込み上げて来る吸血衝動を抑えられないイオンは、自我を失いかけながらエステルに「(そのナイフで)我を殺せ。そなたを傷つけたくない!頼む…」とむせび泣きます(イオンってもともと泣き虫なんだけどそこが良かったりする)。それに対するエステルの台詞が上のものです。そして彼女は襟元をひらき、白い首筋をイオンに差し出すのです。これまでの初々しいやりとりから一転、すごいエロティックなシーンですな。
 しかもこの台詞、『MONSTER』のニナ@能登麻美子が、「多くの殺人を犯すモンスターを救ってしまった」と苦悩する天馬に対して、「ドクター天馬。あなたは悪くない。あなたは悪くない」と告げた台詞と完全に重なってます。あちらはさらに作品の根幹に関わる重要台詞でしょう。ぞくぞくが止まらないですよ。早くDVDが出ないかなあ。

 でも、エステルって、アベル神父のほうが好きなんですかね。帝国を去るシーンで結構、あっさりしてたところを見ると、結局イオンの片思いってことなのか。ていうか、エステルってシスターなだけに硬すぎて、本当の恋愛はまだできないのかもしれません。いずれにしてもイオンが哀れなり(TT)